「最近、なにをしてても楽しくない…」
「病院でうつと診断されたけど、どうしたらいいの⁉」
「うつで年度途中退職したら、次の職場の面接でどう言えばいい?」
このようなことでお困りの保育士さんはいませんか?
この記事では、うつでお困りの保育士さんに向けて、以下の内容を紹介しています。
- 年度途中退職の原因にもなるうつ。保育士はなりやすい?
- あなたは大丈夫?うつのセルフチェック
- 保育士が年度途中でうつになった時にはどうしたらいい?
- 年度途中でうつになった…そのまま続ける?休職?退職?
- うつの治療、復帰の目安
- 保育士がうつになり年度途中退職した時の、面接での退職理由の伝え方
うつになると、こころもからだもしんどいもの。
せめて「しごと、どうしよう…」と悩まなくていいように、保育士さんがうつになった時の対処法をみていきましょう。
こんにちは♪現役保育士のめるるです。
保育現場に15年以上いると、うつになる保育士さんにも何人か出会ってきました。
保育士さんはがんばりやの人が多く、つい無理をしてこころもからだも疲れてしまう人もいます。
その人たちはみんな、体調が戻るまでしごとをどうするかでとても悩んでいました。
今回はそんな不安を少しでも減らせるように、うつについてや、対処法などを調べてみました。
すでに限界がきている保育士さんは、退職代行を検討してみてもいいかもしれませんね。
もくじ
年度途中退職の原因にもなるうつ。保育士はなりやすい?
うつとは?どんな症状がでるの?
最近よく聞く、うつ。
うつとはなんなのでしょうか?
うつ病は、気分が強く落ち込み憂うつになる、やる気が出ないなどの精神的な症状のほか、眠れない、疲れやすい、体がだるいといった身体的な症状が現れることのある病気で、気分障害の一つです。
こころの健康情報局 すまいるナビゲーター「うつ病ABC」
中には日常生活を送ることができなくなる人もいるようです。
うつの原因は?
では、うつはどのようにして起こるのでしょうか?
うつ病になりやすい気質(性格)やうつ病を引き起こすきっかけとなるストレス(環境変化)があり、それらが組み合わされることでうつ病が起きると考えられています。
こころの健康情報局 すまいるナビゲーター「うつ病ABC」
うつになりやすい気質もありますが、ストレスも大きく関わっています。
なぜ保育士はうつになりやすいの?
保育士のしごとは日常的に体力的にも精神的にも大きなストレスがかかります。
具体的にどのようなストレスがあるのでしょうか。
労働時間が長い
保育園のしごとは労働時間が長くなってしまうことがよくあります。
「勤務時間=子どもをみる時間」という考えの園がたくさんあり、書類などの作業は午睡時間におこなうようになっています。
しかし午睡時間だけで終わるしごと量ではないので、サービス残業や持ち帰りになってしまうのです。
中には、「12時間職場にいました」という人もめずらしくはありません。
さらに、そこから持ち帰りのしごとをする人もいます。
からだへの負荷が大きい
子どもをだっこしたり思い切り体を動かしたり、身体的な負担も大きいです。
また最近では、騒音もストレスとされる時代です。
子どもがたくさんいる保育室の中は80デシベルを超える場合もあり、これは地下鉄の車内や救急車のサイレンと同じ程度の騒音です。
騒音の中で長時間すごすと、難聴になったり自律神経に影響が出たりする人もいます。
責任が重い
保育士は子どもをあずかるしごとです。
言いかえれば、子どもの命を未来を預かっている、責任重大な職業とも言えます。
子どもにケガがないように常に意識をはりめぐらせているため、知らぬ間に精神的な負担を感じてしまう保育士もたくさんいます。
人間関係に悩むことが多い
保育園は女性が多く、人間関係が複雑になりがちです。
派閥争いに巻き込まれたり、先輩や上司に愚痴を聞かされたり…。
また、人によっては保護者との関わりをストレスに感じる人も多いです。
中にはクレームばかりしてくる保護者もいて、精神的に疲弊してしまう保育士もいます。
職場の人や雰囲気と相性がよくないと、精神的な負担が大きくなります。
給料が少ない
心身に負担が大きく、長時間労働になりがちな保育士ですが、給料は少ないです。
世の中の平均給与を比べてもかなり低く、しごと内容と見合わないと感じてしまう保育士のしごと。
しだいにやりがいを感じられにくくなってしまい、気持ちが落ち込んでいくこともあるようです。
あなたは大丈夫?うつのセルフチェック
さぁ、あなたは大丈夫でしょうか?
こんな症状が出ていたら要注意です。
精神的な自覚症状
- 1日中気分が落ち込んでいる
- なにをしても楽しめない
- 悪い方にばかり考えてしまう
からだに現れるサイン
- 食欲がない
- 睡眠がうまくとれない
- からだがだるく、疲れやすい
- 頭痛や肩こり
- 胃の不快感、便秘・下痢
- 動悸
- めまい
まわりの人から見てもわかるサイン
- 表情がくらい
- 反応がにぶい
- 落ち着きがない
- 泣くことが増えた
- 飲酒量が増えた
- 否定的な発言が増えた
あてはまるものはありましたか?
心当たりのある項目が多いほど、うつ症状が出ている可能性が高いです。
「おかしいな?」と感じたら、厚生労働省のサイトにある「うつのチェックシート」をやってみでください。
保育士が年度途中でうつになった時にはどうしたらいい?
体調を崩すことが増えておかしいと思い受診すると、うつと診断された。
しごとはどうすればいいのか。
まずは上司に相談
「体調がおかしい、しごとに支障が出るかもしれない…」と感じたら、まずは上司に相談しましょう。
相談にのってくれたり、場合によっては業務量を減らしてくれたりするかもしれません。
また、なにかあった時に対処してくれるのは上司です。
なにも相談していない状態で、あなたが仮にいきなりやすんだり休職・退職してしまうと、上司は困惑するだけでなく対処もできなくなってしまいます。
まずは上司に体調について相談し、業務の進捗についてこまめに報告するようにしましょう。
様子をみながら最悪の場合にそなえる
上司に相談して様子を見て、それでも体調が戻る気配がなさそうな場合。
最悪の事態、つまり退職にそなえた行動をとりましょう。
具体的には以下の内容はかならずおさえておきましょう。
- 診断書をもらう
- 就業規則や民法を確認する
- 金銭面について、公的支援を確認する
くわしくはこちらの記事書いてありますので、読んでみてください。
年度途中でうつになった…そのまま続ける?休職?退職?
うつと診断され、上司に相談し様子をみながらしごとをしてきたが、なかなかよくならない。
ここで出てくる問題が、今後しごとをどうするのかということ。
そのまま続けるのは危険!
しごとを続けるメリットとしては、なんといっても収入面でしょう。
休職や退職をすると一気に収入がさがったりなくなったりしてしまいます。
また、職歴にキズがつくのをいやがる人もいるかもしれません。
しかしそのまましごとを続ける場合のデメリットもしっかり考えましょう。
無理をしてはたらき続けると、体調が悪化する可能性もあります。
そうなると療養に非常に長い時間がかかり、収入がなくなる期間が長くなる可能性もあります。
また、しごとをやすみがちになり、評価がさがってしまうかもしれません。
まずは休職して様子をみる
しばらくはたらきながら様子をみても体調が回復しないのであれば、思い切って休職をすることをおすすめします。
休職すると会社からの給料はなくなりますが、雇用保険からの公的支援を受けられる場合があります。
また無理をしてはたらきつづけ、ある日突然限界がきて退職することになってしまった…というパターンも少なくありません。
うつは見た目にわかりにくい病気です。
本人にも限界がわからないこともあります。
突然の退職は、本人にも会社にも家族にもダメージが大きいです。
長期的に考えると、パッとやすんでしっかり治して復帰する方が金銭的にも精神的にも負担が少なくなるケースが多いです。
保育士の休職についての記事も読んでみてくださいね。
それでもだめなら退職してしっかり休養を
会社の休職の期限が迫ってきている…。
休職してしっかり療養しているのに、それでも体調が戻らない…。
今の職場に復帰すると症状が悪化する気がする…。
こんな状況ならば、退職を考えてもいいのかもしれません。
会社のルールには従わざるをえないので、期限がきたら復帰か退職かの二択になります。
回復していないのならば、復帰しても悪化して再び休職することになってしまいます。
今の職場に明らかなうつの原因があるならば、復帰しても同じことの繰り返しです。
公的支援をしっかり確認して、退職について考えましょう。
保育士の年度途中での退職についての記事も読んでみてくださいね。
うつの治療、復帰の目安
さて、うつの場合、そのような治療をするのでしょうか。
順番にみていきましょう。
うつの治療法
うつの治療は「休養」「薬による治療」「精神療法」の3つがメインになります。
腰痛でたとえると…。
腰痛になってしまったら腰にコルセットをまいて、腰に負担がいかないようにします。
これがうつの治療でいう「休養」です。
コルセットで腰を守ってはいるけれど、痛みがひどい場合には痛み止めを飲みます。
苦痛な症状をおさえ、休養をしっかりとれるようにします。
これが「薬物療法」です。
そして、腰痛が再発すつことがないように生活習慣を見直すなどの対応を考えるのが「精神療法」です。
休養をとる
まずは休養を取りましょう。
うつは脳のエネルギーを使いすぎてしまうことから起こるので、つかれた脳をしっかりやすませてあげましょう。
また、脳の疲労度によっても、しごとを減らせば十分なのか、休職・退職して療養しなくてはいけないのかも変わってきます。
薬物療法
うつの治療には休養がなにより効果的ですが、不安を感じたり眠れなかったりつらい症状がでてしっかり休養がとれない時には薬を服用して症状を落ち着かせます。
うつの薬には即効性がないものが多く、途中で服薬をやめてしまう人もいます。
効果が出るまで2週間くらいかかるので、ようすをみながら続けるようにしましょう。
精神療法
うつの治療には休養と薬物療法がありますが、これらはうつの根本的な原因を解決することはできません。
休養と薬だけではストレスなどの環境要因は解決しません。
ましてや、うつになりやすい気質がかわるわけもありません。
そこで、精神療法やカウンセリングで思考パターンや行動パターンを見直していきます。
職場復帰のライン
職場復帰については、慎重に見極めなければいけません。
一般的な復帰の目安はありますが、一人ひとり症状や回復までの期間も違うため、医師としっかり相談して決めましょう。
一般的には、軽度の場合は1か月、中度の場合は3か月、重度の場合は1年程度が目安とされています。
また、復帰時に、以下の状態にまで回復できているかも確認しましょう。
- 生活リズムが整っている(睡眠・食事・清潔・余暇)
- ひとりで通勤できる
- 勤務時間の間しごとを継続できる集中力がある
- しごとを継続できる体力がある
場合によっては、復帰時に業務量の削減や部署変更などの配慮を必要とする場合もあるので、職場ともしっかり相談して無理なくはたらける環境を整えましょう。
保育士がうつになり年度途中退職した時の、面接での退職理由の伝え方
うつが原因で年度途中退職をした場合、面接で退職理由をどのように伝えるか悩みますよね。
でも、安心してください。
きちんと説明すれば大丈夫です。
面接で退職理由を伝える場合、以下のことに気をつけて話してみてください。
体調が回復していることをしっかり伝える
面接官がもっとも気になるのが、「この職場でしっかりはたらいてくれるのか」ということです。
うつで前職を退職しきちんと回復していないのであれば、またすぐに辞めてしまったり頻繁にやすんでしまうのではないかと心配になります。
そこで面接では、「体調が回復していてきちんとはたらけるようになった」ことをしっかり伝えましょう。
体調が回復したことを医師に書面で書いてもらい提出すると、面接官に安心してもらえます。
新しい職場では再発する可能性が低いことを伝える
うつになった理由をしっかり考えましょう。
おそらく新しい職場は、前職でうつになった理由がない場所を選んでいると思います。
長時間労働がうつの原因だった人は、定時に退勤できるところ。
ハードワークが原因だった人は、ゆとりをもってはたらけるところ。
そのようなところをえらんでいると思うので、それもしっかり伝えましょう。
またあらかじめ伝えておくことで、入職したあとも無理に長時間労働やハードワークをしないように配慮してもらえるかもしれません。
たとえば、このように伝えてみてはいかがでしょうか。
「前職では残業があたり前の風潮で、日付が変わるころまでしごとをすることもありました。
しだいに食欲がなくなって頭痛や吐き気が続き、受診したところ、うつと診断されました。
業務量を減らしてもらえるように会社に頼みましたが対応してもらえなかったので退職し、療養をしました。
今は医師にも『普通にはたらけるまでに回復している』と所見も出してもらっています。
また、貴園のはたらきやすく職員を大切にする風土の中では再発する可能性も低いと考えております。」
保育士が年度途中でうつになった時のまとめ 退職することもできるし、しなくてもいい
今回の記事では、年度途中でうつになった保育士さんに向けての記事でした。
- 年度途中退職の原因にもなるうつ。保育士はなりやすい?
- あなたは大丈夫?うつのセルフチェック
- 保育士が年度途中でうつになった時にはどうしたらいい?
- 年度途中でうつになった…そのまま続ける?休職?退職?
- うつの治療、復帰の目安
- 保育士がうつになり年度途中退職した時の、面接での退職理由の伝え方
うつになった時は先のことまで考えるよゆうはありません。
でも、自分の未来のことが不安になるのも事実です。
今回の記事では、「うつかな?」と思い始めたところから、回復して次の職場の面接のことまでお話ししています。
セルフチェックや治療法まで、これから自分に起こるかもしれないことをなんとなくでも先に知っておくと少し安心ですよね。
不安を少しでも減らして、ゆっくりやすんでくださいね。
元気になったら、次はうつにならなくてすむ職場を探しましょう。
自分の状況をしっかり聞き取ってくれて、自分に合った園を紹介してくれる保育に特化したエージェントもあります。
次は保育以外の道に進みたい人は、幅広い業種を扱っている転職エージェントもあるので、自分に合ったサービスを選び、はたらきやすい職場をみつけましょう!