「加配保育士ってなぁに?」
「加配保育士はどんなことをするの?」
「加配保育士ってどれくらい大変なの?」
こんな疑問をお持ちの人はいませんか?
支援が必要な子どもが増えてきた昨今、加配保育士の役割は大きくなってきています。
今回はそんな加配保育士についてです。
- 加配保育士とは?その役割
- 加配保育士のしごと内容
- 加配保育士になるには?お給料は?
- 加配保育士のやりがい・つらいこと
こんにちは!現役保育士のめるるです♪
保育現場で15年以上勤めています。
私は特別支援学校教諭免許を持っていることもあり、ほとんど毎年支援児を担当し、たくさんの加配保育士と一緒にすごしてきました。
また、私自身も加配保育士として担当児を持ったこともあります。
もくじ
加配保育士とは?その役割
近年、保育園や幼稚園でよくきく「加配保育士」。
加配保育士とはいったいどのような保育士のことなのでしょうか。
加配保育士とは?
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加配保育士とは、障害などによって他の園児と同じように園生活を送ることがむつかしい子どもを担当するために、通常の職員にプラスして配置する保育士のことをさします。
通常の複数担任とは異なり、加配保育士は該当する子どものサポートをメインに行います。
加配保育士が担当する子どもには、身体障害を持った子どももいれば、自閉症などの発達障害をかかえた子どももいます。
加配保育士に必要な資格
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加配保育士に必要なのは保育士資格。
支援に関する資格がなくてもなることができます。
また自治体によっては、保育士資格を有していなくても加配として配置することができるように条件が緩和されている場合もあります。
加配保育士に必要なスキル
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資格はなくても、加配保育士としての役割を担うならば、ある程度の知識やスキルは持ち合わせてほしいところです。
ひとくちに障害といっても、さまざまな障害があります。
身体障害には
- 視覚障害
- 聴覚障害
- 肢体不自由
- 内部障害 など
発達障害には
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- 学習障害(LD)
また、他にも知的障害などがあります。
障害のある支援が必要な子ども一人ひとりに合わせたサポートをするために、
- 障害に対する知識や理解
- 支援が必要な子どもへの適切な支援方法
- 支援が必要な人と一緒にすごした経験
- 支援が必要な人をサポートした経験
などがあるといいでしょう。
加配保育士のしごと内容
では、加配保育士は実際の業務ではどのようなことをするのでしょうか。
支援が必要な子どものサポート
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加配保育士のいちばん大切なしごとは、支援が必要な子どものサポートです。
支援が必要な子どもは、さまざまな場面で他の子どもと同じように園生活を送ることがむつかしい場合があります。
その時に、その子が落ち着けるように環境を整えたり、安心できるように声をかけたりします。
場合によってはその子がその場から離れることが必要な場合もあるので、一緒に付き添います。
また、支援が必要な子の中には友だちとの関係を築くことが苦手な子もいるので、加配保育士が他の子との間にはいって仲立ちをすることもあります。
書類
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加配担当児の書類には個別計画があります。
一般的に保育園では、年間計画や月案、週案、日案などを作成し、園やクラスのねらいを立てます。
しかし支援が必要な子どもの中には、園やクラスの目標を目指すことがむつかしい子も多くいます。
そこで、加配保育士がその子の特徴を把握し、その子に合った計画をたてる必要があるのです。
個別計画がその子に合うものになっていれば充実した園生活を送ることができるので、とても重要なしごとです。
また、一定の期間ごとにその子の成長の記録も書きます。
保護者のサポート
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支援が必要な子どもの保護者は、そうでない保護者に比べて悩みが多いものです。
まわりと比べて不安になったり、適切な対応がわからず子どもとすごすことが苦痛になる保護者もいたりします。
また、行動が激しい子の場合友だちに手が出てしまい、保護者同士のトラブルになることもあります。
そのような保護者に寄りそい、保護者が抱える不安を取りのぞくことも加配保育士のしごとといえます。
連絡帳でこまめにやりとりをしたり、電話や対面で子どものようすを伝えたり相談にのったりして信頼関係を積み重ねていきます。
職員との連携
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保育士の中には、障害に対する知識がない人もいます。
その場合、支援が必要な子どもの行動が理解できず、他の子どもとのあいだをうまく取り持つことがむつかしくなることもあります。
そこで加配保育士が障害に対する知識をベースに、その子の得意なことや苦手なこと、できることできないこと、好きなこときらいなことなどを他の保育士に伝えることで、保育士が適切な対応をとることができ、その子がクラスの中でスムーズにすごすことができるようになります。
療育や行政との連携
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療育に通っている子の場合、年に数回、療育の担当者との面談がある場合があります。
園の中でその子のことを1番知っている加配保育士が担任保育士と共に面談に参加するケースが多いです。
また、園から療育施設への送迎がある場合、迎えにきた療育スタッフとコミュニケーションをとり、普段から子どものようすを伝え合うことも大切です。
保健センターや発達支援センターとつながりがある子どもの場合、行政と園とのやり取りが必要になる場合があります。
その場合、園長や担任が窓口になることもありますが、加配保育士が窓口になる場合もあるので、どのように行政と連携をとるかを確認しておきましょう。
加配保育士になるには?お給料は?
では、実際に加配保育士になるにはどのようにすればいいのでしょうか。
また、お給料はどれくらいなのでしょうか。
加配保育士になるには?
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加配保育士になるために必要なものは、保育士資格です。
それ以外に必要な資格はありません。
加配保育士としてはたらくには、加配を配置している保育園やこども園に就職する必要があります。
「加配保育士」として募集がかかっている場合もありますが、多くの場合は一般保育士として採用され、必要に応じて加配保育士に任命されます。
面接などで「加配保育士になりたい」ということをしっかり伝えましょう。
加配保育士としての募集はまだまだ少ないのが現状です。
というのも、加配保育士が必要なのは支援が必要な園児が在籍している期間だけだからです。
近年は毎年加配保育士が必要という状況の園が多いですが、基本的には加配を必要とする子どもが卒園したら加配保育士は必要なくなります。
このような性質から、加配保育士として募集するのではなく、在籍している保育士の中から加配保育士を選出し、必要がなくなれば一般保育士に戻る…という園がほとんどです。
ですので、希望していないのに加配保育士に選ばれてしまった…という保育士もいます。
加配保育士のお給料は?
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加配保育士は保育士の資格さえあればなることができるので、一般保育士と同じであることが多いです。
加配保育士だからと、加算されることはあまりありません。
正規職員で加配保育士になった場合は、保育士の平均給与20~25万円と同じ程度です。
しかし、加配保育士は加配保育士を必要とする子どもが在籍している、または登園している時にだけ必要なので、パートなどの非正規職員が担当することが多いです。
パートの加配保育士の時給は、一般保育士の平均時給の1000~1300円程度です。
加配保育士のやりがい・つらいこと
あまり経験することのない加配保育士。
実際はどのような感じなのでしょうか。
加配保育士経験者に、やりがいとつらいことを聞いてみました。
加配保育士のやりがい
とにかくかわいい!
なにかあった時には必ず私をたよってくれ、そっとサポートするとにこっと笑顔になって頑張ろうとする姿に、毎日きゅんきゅんしています♡
自分を頼ってくれたり、一生懸命頑張っている姿がかわいかったり…そんな姿を見せられるとかわいいなと感じてしまいますよね。
特に対人関係が苦手な子どもにとって加配保育士は「園内で1番信頼できる大人」になるでしょう。
それをうれしく感じる人も多いようです。
はじめはできないことも多いけど、根気強くサポートしていくことで、できることがどんどん増える!
一般保育士の時も子どもの成長がうれしいという気持ちはもちろんあったけど、1対1でていねいに関わってできることが増えていく姿を隣でみるのは格別!
3月にお別れする時は、「りっぱになったなぁ…」という気持ちと、「離れてしまうのがとってもさみしい…」という気持ちがまざって号泣です…。
1対1で関わった子どもがどんどん成長していく姿を間近で見ることができるのは加配保育士の特権といってもいいでしょう。
子どもにとっても「とくべつな先生」になるでしょうし、加配保育士にとっても「とくべつな子」になりそうですね。
加配保育士のつらいところ
加配保育士のしごとはやりがいだけではありません。
つらさを感じる加配保育士もいます。
このような意見がありました。
希望していないのに、加配保育士になるように言われた。
一般保育士よりも書類などの負担が大きいのに、同じお給料…。
正直、損している気になります。
希望していない人にとっては、一般保育士より大変なのにお給料もかわらないことがつらいようです。
支援児のことをはじめはかわいいなと思っていました。
しかし、障害児の知識のない私が対応するからか、しだいに荒れた態度になってきて…
慣れやあまえもあると思いますが、イライラした時にその気持ちをぶつけられ「おまえなんかしんじゃえ!」と暴言をはかれたり、パニックになった時に叩かれ蹴られてひっかかれて毎日傷だらけ…。
知識もないのに務まるしごとじゃない!
障害児に対する知識がないまま加配保育士になり、子どもとうまくいかない…つらい状況ですよね。
さらに体に傷ができると、その傷を見るたびにつらい気持ちになってしまいそうですよね。
加配保育士のつらいことについての記事はこちら。
![加配保育士 つらい アイキャッチ](https://www.hoiku-rakutano.com/wp-content/uploads/2023/11/12-320x180.png)
加配保育士とは まとめ
今回は加配保育士について以下の4つをみてきました。
- 加配保育士とは?その役割
- 加配保育士のしごと内容
- 加配保育士になるには?お給料は?
- 加配保育士のやりがい・つらいこと
加配保育士は楽しいだけではなくつらいことがある場合もあります。
一方で、支援が必要な子と一緒にすごした1年は保育士人生のとても大きな財産になります。
加配保育士になりたい人も嫌だけどなってしまった人も、加配保育士と一緒に保育をしている人も、加配保育士のことを知り協力して子どもたちの育ちをサポートしていけるといいですね。
加配保育士になりたい人も、ぜったいになりたくない人も、上手に求人を探すことで「思っていたのと違った…!」ということを防げます。
最近の転職エージェントはそのような細かなところまで聞き取りをしてくれます。
自分に合った園で、自分に合ったポジションで楽しく保育をしましょう!